リラ×リラ

ここにおいで 君の隣 何もわからないままに
撫でては千切る リラの花びら
砂をなぞり 綴る手紙 風にさらわれるように
覚めない夢が 不意に途切れて

忘れられし言の葉はどこへ還るの?
朝を忘れた 空に枯れた願い

儚き花は 木漏れ日の射した中
優しく静かに つぼみ 閉じてゆく
しおれた花は 一人きり空に発ち
生まれし姿に 心 委ねるのでしょう

どこにいるの 君の影も 何も感じなくなって
奏でたはずの リラの声さえ
寄せて返す 日々の向こう 辿る再びの出会い
重たい砂に 足が止まって

重ね合わす面影と響く言の葉
夜の狭間で 丘に芽吹く想い

眠りし種が 紐解かれ覚める頃
ゆっくり確かに つぼみ 開いてく
命の種を あの波が繋ぐ瞬間(とき)
打ち寄せる声に 心 震えるのでしょう

重ね合うリラの音色 奏でるのでしょう


完成日:2004年7月26日

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